第8回で「Bdim はあまり使わない」と流しました。ここで回収します。落ち着かない響きの正体がわかると、緊張と解決を自分で作れるようになります。
ここまで、G7 が C へ進みたがると何度か書きました。その力がどこから来ているのかを、第26回の距離の話とつなげて説明します。
dim(ディミニッシュ)ってどんなコードですか?
短3度(半音3つ)ずつ積み上げたコードです。すべての音が等間隔なので、どこにも落ち着きません。単体で聴くと不安な響きで、次のコードへ行くための通り道として使います。
トライトーンが、進みたい力の正体。
半音6つ=オクターブのちょうど半分
G7 の中には B と F が入っています。この2音の距離は半音6つで、オクターブ(12)のちょうど半分です。真ん中なので、上へも下へも同じ距離。どちらへ行くとも決まらないため、宙ぶらりんな響きになります。
G7 が C へ進みたがるのは、この2音のためです。B は半音上の C へ、F は半音下の E へ動きたがります。両方が同時に落ち着く先が C のコードなので、G7 → C が気持ちよく決まります。
半音6つ分の距離。オクターブのちょうど半分で、どちらへも同じ距離のため落ち着かない。セブンスコードの緊張感はここから来る。
短3度を積み重ねたのがディミニッシュ
ディミニッシュは、短3度(半音3つ)を積み上げたコードです。4音まで積むと、どの2音を取ってもトライトーンか短3度になり、完全に等間隔になります。行き先が決まらない響きの極みです。
- BdimBdim(3音)
- Bdim7Bdim7(4音・完全に等間隔)
- CC(解決)
3つめで一気に落ち着きます。ディミニッシュ単体は不安定ですが、そのあとに安定したコードが来ると、落差が効果になります。
実際の使い道
- 通り道として挟む — C → C♯dim → Dm のように、コードとコードの間に置いてベースを半音で繋ぐ。
- 緊張を作る — サビ前や転調の直前に置いて、次を待たせる。
- 代理として使う — セブンスコードの代わりに置くと、似た引っぱりのまま響きが変わる。
- そのまま(C・Dm・G・C)
C | Dm | G | C
- 間に挟む(C・C♯dim・Dm・G)
C | C#dim | Dm | G
挟んだ方は、同じ進行なのに滑らかに繋がって聞こえます。第11回の転回形と同じで、ベースの動きを整えるための道具です。
通り道のディミニッシュを含む進行でメロディを作ってみてください。半音で動くベースの上を、メロディがどう通るか確かめられます。
C・C♯dim・Dm・G で作るトライトーンが「進みたい力」の正体です。ディミニッシュはその力を通り道として使うコードです。
復習クイズ
この回を読めば答えられる問題です。選ぶとすぐに答え合わせが出ます。
第1問
トライトーンは半音いくつ分の距離ですか?
第2問
ディミニッシュのいちばん一般的な使い道は?