キーの中の6つだけでは物足りないとき、いちばん手軽で効果が大きいのがこれです。コードを1つ差し替えるだけで、進行に立体感が出ます。
第12回で、G(緊張)は C(中心)へ帰りたがると書きました。この「引っぱる力」は、キーの中心以外のコードに対しても作れます。
Am の前に E7 を置く
C キーの中で Am へ向かうとき、その直前を Em ではなく E7 にします。E7 は G♯ というキーの外の音を含んでいて、その音が Am の A へ強く引っぱられます。
- Em のまま(キーの中だけ)
C | Em | Am | G
- E7 に変える(キーの外の音が入る)
C | E7 | Am | G
E7 の側は、Am へ着地したときの納得感が強くなります。ドラマチックに聞こえるのはこの引っぱりのためです。1音(G♯)を借りただけで、これだけ変わります。
キーの中心以外のコードへ向かうために、一時的に借りてくる緊張のコード。「Am のドミナント」なので E7 になります。
五度圏で見ると隣にある
下の図は五度圏です。外側が長調、内側が同じ音を共有する短調で、時計回りに5度ずつ進みます。C と Am は同じ位置(12時)にあり、Am を引っぱる E は少し時計回りの方向にあります。押すとその和音が鳴ります。
この図は「どのコードが近い関係にあるか」を一目で示します。時計回りの隣は引っぱる関係、反時計回りは広がる関係です。次の回の転調でも同じ図を使います。
E7 を含む進行でメロディを作ってみてください。キーの外の音があるので、メロディの選択肢も広がります。
C・E7・Am・G で作るどのコードの前にも、それを「引っぱる」コードを置けます。1つ置くだけで進行が急に大人びます。