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王道進行と小室進行 — 日本のポップスの型

王道進行(IV-V-iii-vi)と小室進行(vi-IV-V-I)を鳴らして、日本のポップスらしい響きの正体を確かめます。

日本のポップス・アニメソング・ボカロ曲でよく使われる2つの型があります。名前が付いているほど定着しているので、覚えておくと分析が早くなります。

第13回の定番進行は世界共通のものでしたが、地域ごとに好まれる型もあります。日本のポップスでとくに多いのが、これから紹介する2つです。

王道進行(IV-V-iii-vi)

F・G・Em・Am の並びです。広がり(IV)から緊張(V)へ行き、そこで中心(I)へ帰らずに iii と vi へ流れます。帰るはずのところで帰らないので、切なさが持続します。

  • 王道進行(F・G・Em・Am)

    F | G | Em | Am

  • 3つめを I にした場合(F・G・C・Am)

    F | G | C | Am

3つめのコードを入れ替えて聴き比べます。iii(Em)に行くか I(C)に行くかで、切なさの量が変わります。図の中のボタンや鍵盤を押すと音が鳴ります。音量に注意してください。

2つめは3つめで一度着地するので、すっきりした代わりに切なさが減ります。王道進行が「泣きメロ」に向くと言われるのは、着地を先送りにしているからです。

ことばの意味王道進行

IV-V-iii-vi の並び(C キーなら F・G・Em・Am)。J-POP やアニメソングで非常に多く、切ない盛り上がりを作ります。

小室進行(vi-IV-V-I)

Am・F・G・C の並びです。1990年代のダンスポップで多用されたことからこの名前で呼ばれます。暗いところ(vi)から始まって、最後に明るい中心(I)へ着地するので、上向きの勢いが出ます。テンポが速い曲と相性が良いです。

  • 小室進行(Am・F・G・C)

    Am | F | G | C

暗く始まって明るく終わる形です。テンポを上げると効果がはっきりします。図の中のボタンや鍵盤を押すと音が鳴ります。音量に注意してください。

王道進行と小室進行は、使っているコードがほとんど同じで、順番と終わり方だけが違います。切なく終わらせたいか、明るく終わらせたいか、で選び分けられます。

王道進行でメロディを作ってみてください。サビに向いた進行なので、セクションをサビにしてあります。

王道進行で作る
この回の要点

王道進行は「切なく盛り上がる」型、小室進行は「暗く始まって明るく終わる」型。どちらも日本のポップスの定番です。

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